? 両手合わせは練習量ではなく、積み木の組み立て

ピアノ初心者の音符の読み方(プロの先生が解説)

ピアノ初心者の音符の読み方(プロの先生が解説)

両手合わせは練習量ではなく、積み木の組み立て


1stステージ …… 左手ソロ(親鳥とヒナたち) 2ndステージ …… 右手ソロ(目をつぶって弾く) ファイナルステージ …… 両手合わせ! 片手ずつであれば、左手も右手も、ほとんどミスせず弾けるようになった。 その先は、いよいよ両手合わせ。 ただ、ピアノ練習は、両手合わせに入った途端、記憶が混乱して、覚えたことが吹っ飛んでしまいがち。 せっかく片手練習でできるようになったことを、両手合わせの練習で爆破してしまっては最悪なので、まずは安全な場所の確保からはじめましょう! それは、両手合わせの最初の難関、両手の音が重なるタイミングの合わせ方! ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+ アタック? 段取り? ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+ 片手ずつ練習 → 両手合わせに進んで、 みんな一番最初に失敗するのは、両手の音が重なるタイミングの合わせ方! 両手になると、わからなくなってボロボロになっちゃう~。 そんな時、ほとんどの人は 「できないのは、まだ練習量が足りないからなんだ!」 と、ムキになって、いきなりリピートの数で勝負しようとするけど、それは間違い! えっ? 違うんですか? できないまま、いきなり練習量で勝負してしまうと、せっかく片手で積み上げた練習を、全部爆破してしまって、両手練習が焼け野原からのスタートになってしまうのです!  ギクッ! 私のことだ! 両手合わせで混乱すると、焦って、練習量で勝負したくなりますよね? でも違うのです。 目の前の練習が失敗してるのに、いきなりリビートしちゃったら、どうなります? うまくいかないどころか、『失敗×50回』と失敗ばかり上塗りされて、せっかく積み上げた、今までの練習を破壊しちゃいますよ! 本当にやらないといけないコトは、できるだけ少ない回数で、成功をたたき出すことなんです。 だから、うまくいかないときほど、焦って「回数で勝負!」ではなく、練習のやり方を整理する。
両手になるとタイミングが崩れて ボロボロになってしまう
実はその対策って、すでにやっているのです。片手練習のときに。 気づいてましたか??   ・   ・ 左手ソロの練習で、どんな練習をしたかというと、 右手パートをラララと歌いながら、左手を合わせて弾く練習をしましたよね? 右手パートを歌いながら、一緒に左手も。 それって、左手ソロの練習が、そのまま「両手の音が重なるタイミング」 の練習にもなっていた。 先にその練習をしてた人なら、それを思い出すだけで、『記憶の混乱』が再び落ち着く。だから、うまくいかないときほど、練習のやり方を整理するだけでいいのです。   ・   ・ なるべくなら、苦労や、やり直しの練習はしたくないでしょう? 先生の力で、デキが悪い人も、なんとかしてほしいでしょう? これが、当レッスン流のやり方! 事前練習の仕掛けは、左手だけだと思ったら大間違い! 右手練習の時にもやってます。 そもそも、両手合わせになったとき、 うまくいかなくなる原因って、ほとんどは『記憶の混乱』なんです。 だから、右手の練習は、目をつぶって弾けるようにした。 そのうえで、右手の事はほっといても何とかなるように、何も考えなくても指が勝手に動く練習もしました。 この2つを『両手合わせ』にぶつければ、アラ不思議! 『両手合わせ』に入ったときに、ほとんど最初から、スイスイ上達できてしまうんです。 本当に差をつけるのって、練習量ではなく 『特別なやり方』 ですよ! ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+ アタック 両手の合わせ練習 ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+ 両手の音が重なるタイミングが整理できたら、 鍵盤での練習のポイントは?
【練習テーマ】片手ずつ練習したことを 積み木のように正確にハメこむ
まずは、左手ソロの確認
右手部分を歌いながら、左手ソロを弾いて 記憶に崩れはないか? のチェック。
次に、右手ソロの確認。
起点の音だけセットしたら、続きは目をつぶっても弾けてるか? 頭真っ白指任せでも、指の流れに問題はないか?
両方の確認が取れたら、両手合わせの練習は、簡単! 片手ずつ練習したことを、積み木のように正確にハメこむ作業に特化する。   ・   ・ 両手合わせの練習! それは、右手の視線を捨てるところからスタートします! 右手のことは、「もう君に任せた!」とほっとく。 んん? どういうこと?? と思うかもしれませんが、右手は目をつぶっても弾ける練習をしてきたでしょう? あの練習で蒔いた種を、両手合わせで収穫するのです!   ・   ・ 両手合わせでやるのは、積み木の組み立て!
両手合わせになった時、考えていいのは片手のみなのです。 だから、演奏中の意識は「左手だけ」に集中!
いきなり両手とも拾おうとすると、失敗します! 『二兎追う者は一兎も得ず』 という言葉もあるでしょう? 2匹のウサギを同時に追いかけるのではなく、片方は無視して、残ったウサギのみに集中! ピアノの場合、集中するのは左手!! 全部取ろうとすると、失敗するから、右手のことは見ない。考えない。ほっとく!   ・   ・ 左手を弾くときは、左手ソロの練習でやったように、
ブロック頭の音の、出現パターンだけ整理して 残りの音は流れで弾きながら 次のブロック頭はドコだっけ?? だけ思い出しながら弾く!
片手ずつの練習で、一度できるようになってるのだから、そこから先は積み木の組み立て練習! 両手合わせの練習になったとはいえ、『新規パターンの出現』ではなく、本当は片手ずつ練習したことを、カチッとハメこむだけ! 積み木の組み立て!
合わないからって、苦し紛れに両手を見ちゃダメだよ。 みんな合わないと、今までの練習と違う、余計なことを始めちゃうんですよ!
合わないのは、実力が足りないのではなく、一時的に記憶が混乱してるだけ。   だって、片手ずつならちゃんと成功をとってたのでしょう?   そしたら、あとは積み木のはめ込み方だけじゃない! 焦って、『新規パターンの出現』と錯覚して、練習してきたことを爆破するのではなく まずは、右手を完全に、頭真っ白指任せで動くようにして、両手合わせになったら、左手だけ思い出しながら、積み木のはめ込み。 「難しい! 何度やってもできない!」 と、感情で判断するのではなく、 練習テーマを明確にして、やるべきことを整理すればいいのです! 右手は見ないで弾けるようになっているのだから、後は「ラララ~」と口で歌いながら合わせたときのように、左手をタイミングよく重ねるだけ。 テンポを落としてでも、ええとぉ…となってもいいから、最初は右手をほっとく練習から! ホラ、手順を信じてやるようになったら、今までできなかったことが急にカンタンになって、CDで聴いていたアノ曲が、手元で鳴ってきたでしょう? 一度でも成功すれば、こちらのもの! 勝敗の流れが変わってきます!   ・   ・ 「失敗を改める」 ・ 「成功を逃さない」 1回目の成功までは、「失敗を改める」のターンだけど、たとえ奇跡の1回でも成功できたなら、次からは、「成功を逃さない」のターンに切り替わる。 1回でもうまくいったら「よしっ! ここからは成功を逃さないだぞ!」と練習の意識を変えて!
まずは小さな成功体験をとりながら そこから先は、その成功を、1小節→ 1段→ 1ページ→ 曲全体へと 拡大コピーしていくのです。
その成功が曲全体まで届いた時、それがアナタ自身の感動の瞬間です! ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+   さいごのまとめ ━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+━─+
最後のまとめ人の2.3倍の早さで上達したいと思ったら 『特別なやり方』で練習すること!
人とやり方が同じままなのに「人の2.3倍の早さで上達したい」と思ったら、練習量を2.3倍に増やすしかなくなりますが、人とはやり方を変えて 『特別なやり方』 で練習できれば、たとえデキが悪い人も、人より2.3倍上達が早くなるという、逆転現象が起こります。 上達って、真面目に練習することではなく、『特別なやり方』で勝負できるか? なんです! 仕事(業務効率化)でも勉強(過去問の研究)でも、「ムダを省くこと」が、優れた結果の秘訣でしょう? だからピアノも、業務効率化のためには、「失敗を改める」「成功を逃さない」 この2つを常に追い続ければ、練習から無駄はなくなるのです。   ・   ・ ピアノの練習は、「失敗からスタートしてしまうか?」・「成功からスタートできるか?」の違いは思ったより大きい! 真っ先に変なクセをつけて、後からヒーヒー言いながら「やり直しの練習」に時間を費やすと、練習がなかなか前に進まなくなる。 なので、確実に成功からスタートできるよう、 まずは楽譜にカナをふって、「勘違い」による覚え違いを100%防ぐ! 上手い人に憧れて、いきなり両手同時に練習するのは、初心者のうちは避ける。 それは、初見ができる上手い人だから、成功できるのであって、いきなり形だけ真似ても、中身が伴わなければ、結果はヒドくなる。 【練習するときの意識】
すべての音や、すべての指遣いを覚えようとするのではなく 指の軌道でなんとかなるところは、なんとかする! 練習の仕方は、 起点となる指と、そのズラしかたのインプット! 覚えないといけないところ(親鳥)と、流しても弾けるところ(それに続くひな鳥)を分ける。
【最初は左手から】
左手の練習はブロックの頭と、そこからの指のズラし方。 すべての音を覚える必要はない。 必要な部分だけ整理して覚えたほうが、ミスも少なくなる。 ピアノも勉強も、仕事も、要領が大事! 練習の最後に、口でラララ~と歌いながら合わせられたら、右手に進む。
【続いて右手】
右手は指番号をチェックしたら、なるべく目をつぶって指の感覚で覚える。 練習量で勝負しようとしないで、少ない回数で覚えきること。 覚えたら、頭真っ白で少しずつ抜いていって、最終的に、指任せでも弾けるように! ここをしっかり練習せずに省略すると、両手合わせでヒドい目にあわされるので、 勝つための武器を手にしてから、戦場に出る! 戦場で、いきなり戦死は避けよう。
【両手合わせ】
片手パートで練習してきた成功を、そのまま積み木のように積み上げる。 両手になった途端、いきなりブッ壊すところからスタートするのではなく、今まで練習してきたことを組み立て、絵柄をハメ合わせる作業に特化する。 練習テーマは、現在の自分の立ち位置に合わせる。 上達していくのに合わせて、練習テーマのステージも先に進む。
フェーズ1 練習初期(アタックモード) ━─+━─+━─+━─+━─
練習をうまくいかせるコツは? 記憶を吹っ飛ばさないことが大事! 両手になった途端「もう、わけわかんないよー」と混乱してしまったらアウト!  その状態になったら、もう何度弾いたとしても、うまくいかない! 「わけわかんないよー」をくいとめるために、やるのは積み木の組み立て!
 ・ 右手は、頭真っ白でほっとく!  ・ 左手は、ブロックの頭とそこからの指の流れ
間違わないよう、考えながら弾くのはダメ! 考えるのではなく、事前に練習してきたことを信じて試す!
フェーズ2.練習中期 (慣らしモード) ━─+━─+━─+━─+━─
少しできるようになったら、今できてることを、どんどん頭真っ白で抜いていく。 スラスラ弾けるとは、「考えなくても指が勝手に動くようになった!」 ということ。 目の前の音に「ええとぉ…」と考えながら、「でもスラスラ弾きたい」というのは矛盾してるので、本当にスラスラ弾きたいなら、目の前の相手に実力差をつけて、余裕が感じられるコト! そのために、練習の中で、少しずつ頭真っ白で抜いていく。 最終的に、よそ見しながらでも弾けるくらい、「完全に頭真っ白で抜けた!」 となったら、そのときは本当にスラスラ弾けてるはず。
フェーズ3. 練習後期(仕上げモード) ━─+━─+━─+━─+━─
『奇跡の100点』を目指すのではなく、『安定して成功』を目指す。 そのためには、『正解のパターン化』 『考えながら弾く』という、ランダム要素をなくして、正解の指の軌道をパターン化してしまえば、常に安定した成績が出せるようになる。 みんな、練習初期から真っ先に「リピートの数」で勝負しようとしますが、リピートの数で勝負していいのは、成功をとった後! つまり『正解のパターン化』の時期なのです! リピート練習とは、言葉を変えれば「大量生産」ですから、 成功を取るまでは、できるだけ少ない練習で、工夫しながらなんとかする。 成功をとったら、リピートの数で『正解のパターン化』をはかり、正しい軌道を強力にする!
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