『右手』の練習は、達人の記憶テクニックで覚える!
左手の練習は、一通りうまくいきましたか?
左手ソロが合格ラインに達したら
今度は右手の練習に進んでみましょう。
右手の練習も、左手と同じと思うでしょう?
違うのです。
みんな知らないと思いますが、左手には左手のやり方、右手には右手のやり方があるのです。
では、右手の練習は、左手の時と何を変えるの?
それは、なるべく、鍵盤を見なくても弾けるようにする!
一度弾けたコトに対して、2回目からは、目をつぶってなぞってみるのです。
理由ですか?
『両手合わせ』に進んだ後のことを考えてみてください。
考えながら、見ながらでないと弾けない人は、『両手合わせ』になった途端、記憶が吹っ飛んで、周囲を爆破してしまいます!!
その対策として、最初から目をつぶって練習しておけば、手元を見なくても弾けるようになるでしょう? すると、『両手合わせ』に進んだ後、スムーズに練習が進むのです!
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もう一つの利点として、視線の確保もありますよ。
ピアノの鍵盤は、かなりの横長。
横幅は小学5年生の身長(140cm)もあります。
大抵の曲って、左手と右手は20~80cmほど、離れた位置を弾くのですが、手の位置が離れてるってことは、片方の手を見たら、もう片方が視界から消えちゃいますよね?
仕方ないから、両手を交互に見ようとする。
すると今度は、視線が忙しくなりすぎて、余裕がなくなって、両手とも見えなくなっちゃうんです。
欲張る人は、両方とも失う。
ある程度ピアノに慣れた人なら、両手を交互に見ながらも、弾けるけど、今は初心者向けの話だからね。
だから、最初から目をつぶって弾く練習は、この後に出てくる『両手合わせ』につながるのです!
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でも、それならなんで右手なの?
左手の方が簡単なんだから、左手を見ないほうがいいんじゃないの?
そう思いますよね?
普通はそう思います。でも、それは読みが浅くて……
・ 右手は利き腕だから、ある程度見なくても自由に動く。
・ 1つ1つの移動幅が小さいほうが、かえって感覚的に弾きやすい。
右手は音符数が多くて、1つ1つの移動幅が小さいから、目をつぶっても感覚的に弾けるけど、左手は音符数が少なくて、その分移動幅が大きいから、常に見てないと演奏ミスが多発する。
左手の方が簡単だから、左手を見ないで弾くようにしたほうがいいんじゃないの? というのは、逆なんです。
むしろ右手のほうが、目をつぶって弾くのはラク!
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左手 |
練習するときは、メロディーを口で奏でながら弾いてみる
歌声でもいいし、口笛でもOK! |
右手 |
右手を練習するときはなるべく、目をつぶりながら
余裕があれば、『なんちゃって両手演奏』 |
もちろん、絶対に右手を見ちゃいけないわけじゃないよ。
右手が大きくジャンプするときや、左手がたまたまお休みの時、あるいは、かなり難しい個所などは、右手をしっかり見て弾いた方がいい。
別に、ピエロのパフォーマンスではないので、一曲丸ごと目をつぶって
弾く必要はありません。
右手の視線を消す理由だけ、気に留めてください。
「全部見ようとすると、失敗する。だから、片手はなるべく見ないで弾ける練習を!」
あらかじめその練習をしておくことで、両手合わせの練習に進んだときに、大きな利点になるのです。
なるべくなら、苦労や、やり直しの練習はしたくない。
先生の力で、デキが悪い人も、なんとかしてほしい。
そういう人のために、できるだけスイスイ上達できるよう、練習初期から、曲の完成に向けて、小説の「伏線」のように、いろいろな仕掛けを織り交ぜているのです。
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右手の練習の注意! ・ 起点の指番号は、正確にセット!
・ 全ての音符に正面から突っ込まない!
右手の場合、音の数が多いので、すべての音符にまともにぶつかると、猪突猛進イノシシ野郎になって、失敗します!
なので、覚えるところを整理します。
ぶつかっていいのは、フレーズの起点の音符だけ。
ちなみに、フレーズの起点は、メロディーのひとかたまりで判断する。小節の中途半端な位置からスタートするコトもある!
たまに、中途半端な位置がフレーズの起点になることもあるけど、それでOK!
メロディーのひとかたまりで、区切ること!
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続いて指番号!
右手は音が多いので、指番号もごちゃごちゃしがちです。
その整理の仕方ですが、
起点の指番号は、正しくセットすること!
この部分だけ、左手と同じです。ただ、右手の場合、ココからが違います。
それは、その後の指の流れは、『直進』と『曲がり角』だけ整理すること!
1→5あるいは、3→1のように、順に並んでいるところは『直進』
135、531のように、1方向に飛び飛びの時もスピードアップした『直進』。
同じ方向に動いてるだけだからね。
ただ、53145みたいに、指番号が入り乱れているときは、『曲がり角』が入るから、その『曲がり角』だけは注意ね!
道を覚えるときも、『直進』は気にせず『曲がり角』だけ注意するでしょう?
「ずっと道なりに進んで、2つ目のローソンの信号を右!」 とかね。
楽譜に印刷されてる指番号が、すべての音符にあるわけではなく、かなりスカスカなのは、そういうことなのです!
だから、右手の指使いも、『目をつぶって弾く練習』をしてるうちに、ほとんどは自然に覚えられるものだけど、楽譜に印刷されてるような『曲がり角』の指番号だけは注意!
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1回でも正しい動きができたなら、たとえそれがマグレだったとしても、もう技術的には『弾ける実力がある』となります。
えっ? そうなのですか?
だって、弾ける実力がなかったら、1度も弾けないでしょう?
なので、そこから先の練習テーマは『成功の再現性』
弾けるかどうか? はもうできた! だからこの先は、毎回「当たった間違った!」を追いかけるのではなく『一度掴んだ成功は、もう逃さない』が練習テーマになります。
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『一度掴んだ成功は、もう逃さない』
そのための練習は、一度弾けたコトに対して、今度は正解の動きのパターン化を目指す。
大事なのは、「奇跡の100点!」ではなく、「常に再現できるか?」 ですから、せっかく成功できたことは、奇跡の1回だけでなく常に取り出せるように
何も考えなくても、指が勝手に
正解に動いてくれるようにする!
スポーツの、ドリブル練習と同じです。
最初に正しいフォームを意識したら、後は練習で身体に叩き込んで、無意識でも同じ軌道がとれるように、しみこませる!
うまくいくまでの練習の流れ1.余裕がなくて考えながらでないと弾けない
2.ちょっと余裕が出てきた
3.頭真っ白で弾いても、そこそこ成功
4.もう指任せでもスイスイ
考えながら音を追いかけて、毎回「当たった間違った!」で喜ぶだけでは、成功にスルリと逃げられて、5連勝がありません。
もし5連勝がほしいなら、常に成功を再現できるように、正解の指の軌道をインプットしたら、それを頭真っ白で弾いても再現できるまでにする!
何も考えなくても、指が勝手に動いてくれる!
ほっといてるのに、勝手に正解を押してくれる!
そこまでになれば、練習効果も抜群で、5連勝が当たり前になるでしょう?
練習は、こういうふうに組み立ててみてください!
右手もボス戦をクリアしたら、次はいよいよファイナルステージ!
両手合わせのステージに進もう。
超簡単アレンジの【なんちゃって両手演奏】で両手合わせの予備練習
【なんちゃって両手演奏】
左手が終わった後、右手も合格すると、『両手合わせ』の練習に進みますが、進む前にちょっとだけ『なんちゃって両手演奏!』の練習もかけてみます。
両手演奏で、いきなり周囲をフッ飛ばさないよう、事前に小説の「伏線」のように、いろ仕掛けをちょっと追加する。
それは、左手の頭の音(親鳥)だけ、右手と合わせた状態で練習すること。
『なんちゃって両手演奏!』の練習なので、アレンジをカンタンにして、左手の頭の音だけ拾い読み。頭の音は、そのまま1小節押しっぱなしの状態でね。
これを直前にやることによって、「本物の両手合わせ」 に進んだときに
左手の記憶がまるまるフッとばず、比較的スムーズに、両手合わせが
うまくいくようになります。
それでは、「本物の両手合わせ」 に進みましょう!
管理人のピアノ教室

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